かいもちひ(本文)
宇治拾遺物語の有名な話に「児のそら寝」と呼ばれている話がある。
宵のつれづれにかいもちひを作り始めるのだが、この「かいもちひ」とは何だろう。
私が古文で学んだときはぼたもちだと教えてもらった。餅に何らかの餡を絡めたもののことであろう。
しかし宵に作るにしてはちょっと面倒では無いか。
米の餅ならば、米を浸水して蒸すか炊く時間がかかる。現代のぼたもちのイメージならばそこに餡(小豆とかの豆類)が加わる。
即席に作るとすれば粉を作った団子のようなものだろう。
米粉でもそば粉でも何でも良い。
蕎麦がきのように粉に水や湯を入れて練ったものをそのままか加熱して(そのまま火にかけるか茹でて)食べる。
これならば宵に思い立ってもすぐにできる。確かに少し時間はかかるがもち米から餅類を作る時よりは断然早い。
ただ、当時製粉技術はあったと思うが(小麦粉で作った唐菓子の歴史は古い)、製造に労力のかかる粉類が夜食に使われたのだろうか?と疑問は残るが…。🍡