かいもちひ(本文)
宇治拾遺物語の有名な話に「児のそら寝」と呼ばれている話がある。
昔の中国の薬剤
『中医中药医古文难字字典』の薬剤のみを一部抜粋する。
冇 冇骨消→めなもみ。
畐 畜畐子→あけび。
鬲 鬲子→とりかぶと。(附子)
堇 大叶堇菜→? 堇菜→りんどう? 三色堇→?
畺 しょうが。
瑿 黒い琥珀。
䪤 ゆり。
(丙丙の下にヒヒの下に足へんに巳) ほらしのぶ。
卮 小卮子→くちなし。
氐 氐冬→ふき。
忝 おひしば。
胤 鉄胤粉→鉄粉?
卉 はちみつ。
厝 厝連→いわれんげ。
檿 楓檿樹→ごんずい(植物)。
厴 田螺厴→?
𠫍 𠫍𠫍→うみがめ。
冉 塔冉→おおばこ。
臠 五福臠 →びゃくれん
(人偏に旁は士口烏)=⭐︎ ⭐︎魚→たこ
兕 兕角→犀角
亳 亳芍→しゃくやく
嚲 阿蔀嚲→はらみつ
冧 缸瓦冧→水胡満 ※不明
(臼の中に㐫、八、卩)=⭐︎ ⭐︎鼠→コウモリ
邛 邛巨→トウダイグサ科植物
鄆 鄆芝→おにのやがら
郄 郄蝉草→たんじん
鬯 秬鬯→さんかくづる(???)
※うこんを浸した酒では?
(偏が果、旁が力)=⭐︎ 蜂⭐︎→蜂の巣
勐 勐呵→コプシア?(柯蒲木)
韰 薤白→らっきょう
(偏が土、旁が从)=⭐︎ ?
壠 瓦壠→あかがい
壚 臭壚草→カッコウアザミ(勝紅薊)
坭 坭瓜→へちま
堊 石灰
垟 白垟絡→つるまさき
壘 蔓性植物?
埕 猴子埕→なんよううつぼかずら
堥 黄堥→硫黄
墡 白墡→田の表面の土?
壈 四壈關→牙疳薬?
壺 壺䓖→せんきゅう
扽 扽腸草花→ひるがお
搊 倒地搊→岩掃把
揠 茅揠→ちがや
搧 鉄扇帚→さきしまぼたんづる
撚 撚撚草→あかね
攗 蕨攗→ひし
艼 摘艼子→ やくち
艻 艻蔗→さとうきび
䒒 水麻䒒→みぞそば
芐 じおう
芅 銚芅→ごれんし?
藇 藷藇→やまのいも
芊 芊菜→なずな
䒕 䒕草→ひめはぎ
芑 芑実→はとむぎ
䓪 䓪根→やまごぼう
芰 芰実→ひし
芣 芣苡→おおばこ
菵 かずのこぐさ
芺 紫芺→むらさき
(くさかんむりに為)=⭐︎ ⭐︎子→おにばす
茈 爰茈→?
蕷 くぬぎ 王蕷→やまのいも
苤 苤藍→かぶたまな(コールラビ)
蘢 蘢古→おおけたで
苫 苫弥→くこ
(くさかんむりに兄)=⭐︎ 活⭐︎→かみやつで
苘 苘麻→いちび (莔麻)
苬 まんねんたけ
苢 芣苢→おおばこ
苽 苽封→まこも?
蔦 蔦木→やどりぎ
茆 ひめしおん(女菀)
櫟 (恐らくくぬぎ)
蘬 ふゆあおい / おおけたで
苙 よろいぐさ / 苙刺甲→たいわんのいばら / 白苙→しらん
苨 薺苨→そばな
苕 苕子→おおやはずえんどう
蓕 とっくりいちご
荁 すみれさいしん
荖 假荖→はいごしょう
茢 茢薽→やぶたばこ
荗 がじゅつ
茿 萹茿→にわやなぎ
荎 はりげやき
(くさかんむりに達)=⭐︎ 君⭐︎菜→てんさいの一種?
茈 茈胡→みしまさいこ / むらさき
/ ?
萴 とりかぶと
歌詞は変わりゆき良くなる
「かえるのよまわり」という歌はご存じだろうか。
知人はそれをキャンプファイヤーで知った。手遊び歌なので動作と共に教えてくれた。
ところがその場にいた年配の方が(戦前生まれの方)その歌を知っていたのだ。(手遊びは知らなかった)。
しかし、歌詞が若干違っていた。
今、調べると年配の方が知っていた方が一般に知られている歌詞で、知人のはそのヴァリエーションだったようだ。
その場のノリや即興で歌詞を付け加えるということはキャンプファイヤーなどの野外レクリエーション場であった。
「大工のキツツキさん」という曲は途中の部分で手遊びが加わる。その部分をノリでどんどん付け加えたり変えたりするのを経験したこともある。その即興で場が盛り上がったことは言うまでもない。
インターネットですぐ調べられなかった時代なので(昭和の時代である)前述の知人のケースのように覚えた歌詞を口伝するということはよくあった。もちろん本から知ることもあったが、レクリエーションに使う歌集は手作りして作るということはそれ以上によくあった。
前置きが長くなってしまったが
本題の「森のくまさん」の話をしよう。
実はみなさんが知っている歌詞とは違う歌詞で私はこの歌を歌っている。(残念ながら小鳥は出てこない)。
理由は簡単。私が持っている本に掲載されている歌詞が、今一般によく知られているものとは異なるからだ。
本の名前は『ポケット愛吟集 改訂増補』昭和46年(私が持っているのは47年発行の3刷である)。ちなみに私は玉川学園との関わりはない。
(汚い本でごめんなさい。しかし私にとっては大切な本だ)
この小冊子の32ページに問題の森のくまさんがいる🐻
歌詞の転載はできないので、一般と異なる箇所のみ抜き出す。(小節は愛吟集の楽譜に依る)
1番。後半(7小節目から8小節目)「もりのなか」(通常は「もりのみち」)
2番。前半(3小節目から4小節目)「はやーく」(通常は「おじょうさん」)
3番。前半(1小節目から2小節目)「けれども」(通常は「ところが」)/後半(6小節目から10小節目)「トコトントントントントントントーン トコトントントントントントントン」(通常は「トコトコトコトコと、の繰り返し)
4番。前半(3小節目から4小節目)「ちいさな」(通常は「ちょっと」)
5番。後半(6小節目)「ララララ」(通常はラララ)
※これだけでは違いがよくわからないと思うので最初の一部だけの画像を。(画像の下の部分に輪唱・合唱のパートがある)。
(聴いたものから作成したのだろうか、現在広く伝わっている楽譜とはかなり異なる。たぶん音楽の専門家が今の作者さんの楽譜と比較すればいろいろ面白いのだろう。素人の私でもメロディと歌詞の対応の仕方を見てふふふと思った。)
前置きに書いたように、この種の歌は歌詞のヴァリエーションが沢山出てくるもの。多分愛吟集の方は耳で聞いたものを楽譜にしたのだと思うが…。既に何か原型があって、愛吟集の訳詞であったり小鳥さんの訳詞であったり現在作者とされる方の訳詞が出てきた…という方が私は納得がいく。
もっと想像を膨らませれば、ボーイスカウトか何かの活動団体のスタッフの誰かが原案の訳詞を作って、これは歌いにくいからこう変えようとかこう変えた方が面白いとか言いながらどんどん歌が変化しながら(改良されながら)口伝で伝わっていったのじゃないかと思う。
昔は(昭和は)著作権についてアバウトすぎる時代だと思う方も多いと思うが、そうでもあるが、そうでもない。キャンプファイヤーで歌われるものは「その場で歌われる歌については」子どもがみんなで歌うはやり歌(しばしばノリで替え歌が作られる)と同じ感覚で原曲がどうだこうだということに注意が払われなかっただけだ。
最後に「愛吟集」の奥付の画像を。
私はこの小冊子の方のくまさんの歌詞の方がおおらかで軽やかなのでこちらの方を口ずさんでいきたいと思う。
シチヘンゲ属のはなし(本文)
2023/08/19 公開
(写真の花は恐らくコバノランタナなのでブログの記事名をシチヘンゲ属とぼかしました😄
この花なあにと思って上の写真を調べたらシチヘンゲ属という名前に当たった。
七変化。これはアジサイの別名でもある。
紛らわしいが、このコバノランタナに似たランタナという植物がシチヘンゲと呼ばれているのだから仕方がない。(実際に花の色が変わっていくという)。
花も葉っぱもアジサイに似ているような気もするが、分類上は全くの別物だそうだ。
アジサイは古くは「あぢさゐ」「あづさゐ」(古語「ともくさ」「またふりくさ」ともある)である。シチヘンゲはいつ頃から言われたのだろうか。
アジサイについて調べていたら「紫陽花(誤用)」と書かれてあり、ああそうだったと思い出した。紫陽花と漢字の単語は中国では別の花(ライラック?)を指しているんじゃないかと言われている。
翻訳とは難しいものだ。
こえんどろのはなし(本文)
2023/08/18 本文投稿
こえんどろ、という語を日常耳にしない。
『草木名彙辞典』から。(p197)
◎見出し語は「こえんどろ【胡荽】」。
◎和名はCo-entroポルトガル語より。
***こえんどろはポルトガル由来だということだ。
◎古名では「こにし」と読ませているのが多い。
***辞典は丸写しを避けたいので詳細は省くが、古名で4つ、別外で6つ、漢名で16ある。
『ディオスコリデスの薬物誌』から(p362)
◎「KORIANON」。文中ではコリオン(Corion)あるいはコリアヌム(Coriannum)と記述されている。
***薬の話だが、服用方法はパンに混ぜたり酒に混ぜたりなので日常的に食材として用いられていたかな?
『飲膳正要』から(p204)
◎「芫荽」。一名を胡荽という。
『古代波斯医学与中国』から(p52)
◎『回回薬方』に、「可思你知、可思納知」(Kashnaj、Kashinaj)。
『中医中葯医古文難字字典』から(p29)
◎見出し語「(“くさかんむり”に“原”)
***元と原の音が近いので芫と同義に使われるようだ。
『日本外来語辞典』から(p110)
◎見出し語は「Koendro(胡荽)」。
◎オランダ語のkorianderuが語源という説である。
『熱帯植物要覧』から(p376)
◎辞典なので丸写しは避けるが、英語のCoriander に似た語だけではなく、ヘブライ語のGab、ヒンズー語のDhaniaなど国地域によって言い方が様々だ。(14種類の言語での言い方が書かれている)。ちなみにタイはPak chi だ。
……まだまだ続く。
このブログで挙げた文献等の信頼性について
韋駄天という仏様はご存じであろうか。韋駄天は分類上は天部の仏様である。天部の仏様の説明は私の能力を超えているので、ここでは
仏様には、外来の神様が転じて仏様となった方がおられるというだけという説明にとどめておく。
韋駄天も元々はスカンダというインドの土着信仰の神様である。「スカンダ」が「私建陀」と漢字で写されて、それが「建陀」となり、建の字が誤写で違となり「違陀」、違の字のしんにょうが抜けて「韋駄」、天部の仏様なので天がつけられるようになり「韋駄天」。
おいおい。真言はいだてんで唱えられているのだが、真言は音韻自体も大切なのに、これだけ呼び名が変わっちゃていて良いんだろうか?と思った。
印刷やコピーがなかった時代は文献の複製は書写だったので誤写は避けられない事だった。
このブログも結構手打ちが多いので、誤写がある。(頑張ってチェックはしています)。
また、文献についての知識はないので、どの文献の信頼性が高いかどうかについては考慮していない。
きちんとした本では、底本は〇〇を用いてという所から細かくチェックした史料を明記しているが、私はどの史料が信頼性が高いか、などの知識が無いので、選別する事なく一律に採用している。文献が玉石混淆状態なのはお許し願いたい。
web上に流れたものは意図した事と違うことに用いられることがある。なるべく信頼性の高いものや専門家の著述に依拠して書いているのは情報をwebに流した者としての責任からであるが、しょせん余暇の範囲で調べている事なので手の回らぬ箇所は多くある。
元々は昔の書物の薬材や食材の同定のために、いろいろ史料にあたり「言葉を集めていた」だけなので、「この語はこの植物である」という正確さよりも「この語はこの植物を指しているかもしれない」という可能性を重視している。
昔の書物を読みながらこれは何なんだろうと考えることは面白い。そういう楽しみの一助としてこのブログを利用していただければ幸いである。
木のものさし(追記しました8/14)
説明文を数行追加しました。